2005年11月26日土曜日

安全な野菜

友人と一緒に畑へ向かう車の中は、いろいろな話題で盛り上がる。
友人に、このブログに書いたトマトのハイテク農場のことを話したら、友人は、こんな話をしてくれた。

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使わなくなったトンネルを使って、レタス栽培が行われている。太陽の代わりに照明設備を使ってレタスを栽培するのだ。土に覆われたトンネルならば、密閉された状態だから温度変化も少ないし、害虫も入ってこれない。

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なるほど。と、感心して聞いていると、友人は、どうもこの一件が気に入らないらしい。

太陽、雨、風、そして、さまざまな自然の恵みによって育まれた土など、自然の風土で育まれる野菜は、友人にとってはなによりもかけがえのない野菜なのだ。

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僕は、この友人の考え方に強い共感を覚える。

人工的な環境とは、人間にとって都合の良い要素だけを自然から隔離した環境だ。ところが、人間は、いまだに自然の環境を複製する技術を持っていない。

照明設備の光は、見た目には、太陽の光とよく似ている。しかし、赤外線や紫外線などを含めて人間の目に見えない光は、太陽の光に含まれていても、照明設備の光にはほとんど含まれていない。ところが、こうした人間の目に見えない光が、植物の生長に大きな影響を与えていたりする。また、人間の目に見える光であっても、人間は、その光が、どの植物にどんな影響を与えるか、をわかっているとは言えない。

たとえば、植物に緑色が多いのは、植物が光合成する上で必要な光を効率よく吸収するためだという。では、なぜすべての植物が同じ色をしていないのだろう?微妙な色の違いは、それぞれの植物が取り入れようとする光の成分が異なることを意味しているのではないだろうか?

このように考えてみると、人工的に作り出される環境は、自然なものとはほど遠い。

「人工的に作り出される環境のなかで育まれた野菜」と「自然の恵みのなかで育まれた野菜」を比較することをほんとうの野菜同士の比較と同じように議論してはいけないし、するべきではないと思う。形はそっくりでも、自然と異なる環境で育てられれば、出来上がったものに含まれるものも自ずと異なってくるはずだ。

さまざまな生物の遺伝子操作が問題視されていることを考えれば、こうした人工的な環境で育てられる野菜があまり問題にならないのは、不思議だ。生物は、環境の変化に対応しながら進化を遂げ、種を保存してきた。トンネルの中で育てられる野菜も、交配を行えば、まもなく進化を遂げるだろう。それは、我々の概念を変えるような食物への進化となるかもしれない。

しかし、トンネル栽培に特化した植物が栽培されてきた、という話は聞いたことがない。もちろん、冒頭ののトンネル栽培で、どんな苗が使われているか、は定かでない。しかし、一般に市場に流通している苗を使って栽培しているのであれば、少し背筋が寒くなってくる。

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利潤や効率化が求められて建築されたマンションには、倒壊する危険性がある、と言う。
トンネルで栽培された野菜には、どんな危険性があるんだろう?

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