これから寒くなる季節。野菜を楽しむには絶好の季節だと思う。
京都は、盆地ということもあって夏冬の温度差、昼夜の温度差がとても大きい。
この温度差がさまざまな野菜の甘さを引き出す大切な役割を果たす。
大根やカブラといった根菜類は、体を温かくしてくれる効果があり、鍋物にしても、煮物にしても、とてもおいしい。
とは言え、この季節。あっという間に日が暮れる。
そして、日が暮れると、急に寒くなる。
寒くなったからと言って作業量が減る訳ではない。
むしろ、この季節の方が、旬の野菜が多いので気が抜けない。
野菜づくりに励む友人(農家)を見ていると、つくづく大変な作業だなあ、と思う。
農家を営む友人は、既に50歳を過ぎているが、こどもたちが成人を迎えるまでは、なんとかしなければ、と毎日精を出している。友人は、まさに畑で格闘している。
日が暮れると、ヘッドライトを付けて暗闇の中で荒い息で作業する。(少し怖い)
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京都府では、ブランドとして『京野菜』という言葉が使われている。
最近では、京都で作っていないのに、『京野菜』というのが出回ることもあるらしい。
この辺りの解釈は、今後、いろいろと話をしたいと思うが、長くなるので今回は、パス。
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新そばの季節。この友人に連れられて近所のそば屋に行った。
勿論、農作業を中断してからのお昼ご飯である。
少し疲れ気味だった僕は、あっさりとしたものをと思ってそばを取った。
そばの薬味として出された『からみ大根』を見て、話が始まった。
京都の北区にある今宮神社周辺のそば屋では、薬味として『からみ大根』が使われることが多い。
今宮神社で豊作を祝うお祭りには、必ず、『からみ大根』が奉納されるらしい。
もともと、『からみ大根』の種は、今宮神社が管理しているそうで、栽培には、まず、神社に問い合わせる必要があるらしい。
少なくとも、一般的な種苗店では入手できないそうだ。
このくだりは、友人からの伝承なのだが、友人は、僕がそば好きと聞いて、「この『からみ大根』をぜひ食べてみて、」とすすめてくれた。
「この季節に大根があるんだあ・・・」と思いながらも、新そばの香りを楽しみながら、ずるっ。
そばの味を邪魔しないところに、ちょっと間を置いて辛みがやってきた。
ピリピリっ。辛いのに、その辛さの中に甘さを感じる独特の風味がある。
この微妙な甘さは、どのようにして培われるのだろう?と思いながら、そばを食べる。
ずるっ。ずるずるるぅ。はあぁ。
食べ終えると、辛みがいっぱいだったが、一気に疲れがとれていった。
いやあ、『京野菜』として指定されているかどうかは知らないが、これはいい。
友人は、その様子を見ているだけで満足した様子だった。
ん?なんだか変だぞ。
なぜ、新そばの季節に『からみ大根』が食べれるんだ?
ハウス栽培が行われるためか?
まあいい。おいしい野菜を食べたことには間違いない。
冬の寒い季節に食べると、もっと甘みを感じることができるんだろうか?
この『からみ大根』のおろしとを大きめのカブラのおろしたものとを混ぜて食べてみたい。
なにが良いだろう?鍋か?それとも、やはり、そばか?
そばを食べ終えたばかりなのに、友人に聞いてみた。
「『からみ大根』は作っていないの?」
友人は意味ありげに笑って、「畑に戻ろう」と、僕を急き立てた。
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